前回のコラムでは、歯を失った場合の治療法として、インプラント・オールオン4・ブリッジ・入れ歯という4つの選択肢があることをお伝えしました。
それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあるとともに、相応の費用や期間がかかることから、そのままにしちゃだめなの?と考える方もいらっしゃるかもれません。抜けた歯が1本くらいなら大きな問題にならないように感じますが、実際はどうなのか気になることでしょう。
今回はそんな歯が抜けたまま放置するとどうなるのかについて、宇都宮市砂田町のココ歯科クリニックが詳しく解説をします。
目次
▼1本くらいなら抜けたまま放置しても大丈夫?
結論からいうと、例え1本であっても抜けた歯をそのまま放置するのは良くありません。
私たちの歯は、隙間なく並んでいる状態が正常であり、その中の1本でも抜けたままになると、皆さんが考えている以上にたくさんのリスクが生じるからです。基本的には欠損した歯を補うための治療を行う必要があります。
▼歯を抜けたまま放置するとどうなる?
次に、抜けた歯を放置した場合のリスクについて解説します。抜けた歯の位置や本数によっても変わりますが、その状態を放置することで以下の6つのリスクが生じる点に注意が必要です。
【リスク1】見た目の印象が悪くなる
まずは、前歯が1本抜けている人の口元をイメージしてください。おそらく多くの方は「違和感」だけでなく、ネガティブな印象を与えてしまうこともあるかもしれません。
こうした審美面の悪影響は、周りの方だけでなく患者様自身も「前歯がなくて不格好に見えてないかな…」といった不安な気持ちにもなるため、精神面にも良くないでしょう。
【リスク2】食べ物が噛みにくくなる
歯を抜けたまま放置してすぐに実感するデメリットとしては、そしゃく機能の低下が挙げられます。
例えば大臼歯を1本失っただけでも、食べ物を噛む効率は大きく低下し、食事の内容に制限がかかります。その本数が多ければ多いほど、食事の時に不自由を感じやすくなることでしょう。
【リスク3】顎の骨が痩せていく
歯が抜けたままの部位は、噛んだ時の圧力がかからないため、顎の骨が徐々に退化していきます。顎の骨は一度痩せてしまうと元には戻らないことから、歯が抜けたままの部位はできるだけ早く治療をすることが推奨されます。
【リスク4】歯並びと噛み合わせが悪くなる
上述したように、私たちの歯は隙間なく並んでいる状態が正常なので、1本でも歯がなくなると、全体の歯並び・噛み合わせが乱れていきます。
歯が抜けたまま放置している期間が長いと、顎の骨が徐々に減少していくことから、歯並びの悪化も加速していくのです。
ちなみに、歯並びや噛み合わせが悪くなったり、顎の骨が痩せたりしてからだと、補綴治療の難易度が高くなります。その結果、補綴治療にかかる期間が長くなり、費用まで高くなってしまうため、抜けた歯はなるべく早く治療を行うことがおすすめです。
【リスク5】他の歯の寿命も縮まる
永久歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきます。上の歯が14本、下の歯もそれに対応する形で14本生えてきて、正常な噛み合わせを作ります。歯の欠損が生じると、それ以外の歯で噛んだ時の力を支えなければならなくなります。残った歯には大きな負担がかかり、寿命も短くなっていってしまうのです。
【リスク6】発音や滑舌が悪くなる
歯が抜けたまま放置していると、発音や滑舌が悪くなることがあります。これは前歯が抜けたままにしているケースで生じやすいトラブルといえるでしょう。
▼歯は抜けたままにせず治療を受けましょう
このように、歯は抜けたまま放置すると、見た目が悪くなる、食べ物が噛みにくくなる、歯並びが悪くなる、残った歯の寿命が縮まるなど、深刻なリスクが発生するため、早期に補綴治療を受けるようにしましょう。