インプラント手術後の食事で食べちゃだめなものはある?治療後の食事はいつから?|宇都宮市の歯医者|ココ歯科クリニック

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インプラント手術後の食事で食べちゃだめなものはある?治療後の食事はいつから?


インプラント手術を受けたあとは、食事に気をつけることが大切です。特に、術後の傷口が安定するまでの期間に誤った食事をとってしまうと、治癒の遅れや感染リスクの増加につながる可能性があります。


この記事では、「インプラント後の食事はいつから再開していいの?」「食べてはいけないものは?」といった疑問に、時期別の注意点を交えながら詳しく解説します。


■インプラント手術後に控えたい食べ物


インプラント手術後、特に抜歯や骨造成を伴ったケースでは、歯ぐきや骨がデリケートな状態にあります。この時期に刺激の強い食べ物を摂取すると、出血や腫れ、感染のリスクが高まるため、以下のような食べ物はしばらく避けるようにしましょう。


① 固い食べ物


せんべいやナッツ類、フランスパン、りんごの丸かじりなど、咀嚼の際に強い力が必要な食品は、インプラント部位に過度な負荷をかける可能性があります。手術直後は特に注意が必要です。


② 熱い食べ物


ラーメンや熱々のスープなどは、傷口の血流を促進しすぎてしまい、出血や腫れを悪化させることがあります。適温に冷ましてから食べることが大切です。


③ 辛い・刺激物


キムチや唐辛子、わさびなどの刺激物は、傷口の粘膜に炎症を引き起こすリスクがあります。術後1週間程度は控えましょう。


④ アルコール・炭酸飲料


アルコールは血管を拡張し、出血を長引かせる原因となるほか、抗生物質との相互作用を起こす可能性もあります。炭酸飲料は気泡の刺激が傷口に負担をかける場合も。


⑤ 粘着性の高い食品


キャラメルや餅などは粘着力が強く、縫合部位に食べ物が絡まりやすくなります。清掃がしづらく、細菌の繁殖を招く恐れもあるため、控えましょう。


■インプラント手術後の食事はいつから?


インプラント手術当日の食事については、局所麻酔の効果が完全に切れてから摂取を開始することが大原則です。これは、麻酔が効いている間に食事をすると、頬の内側や舌を無意識に噛んでしまい、粘膜損傷や二次的な感染のリスクを高めるためです。


特に下顎のインプラント手術では、舌の動きや感覚が鈍くなりやすく、誤って口腔内を噛んでしまうといったけがを引き起こしてしまうこともあります。


麻酔の効果が消失する時間には個人差がありますが、一般的には2~3時間ほどで感覚が徐々に回復します。指で軽く頬をつついたり、冷水や常温の水で口をゆすいだりしたときにしっかり感覚が戻っているかを確認し、それを目安に食事を再開しましょう。


また、手術当日はインプラントを埋入した側では咀嚼しないようにすることが重要です。インプラント周囲の歯ぐきや粘膜は一時的に炎症反応を起こしており、わずかな刺激でも出血や縫合部の開裂につながる恐れがあります。反対側の歯で咀嚼することを徹底し、食事中の力が埋入部に加わらないよう注意しましょう。


■インプラント手術後のケア


食後は、歯みがきを避け、代わりに水や処方された洗口液(例:クロルヘキシジン)でやさしくうがいをする程度にとどめるとよいでしょう。


強くすすいだり、ぶくぶくとうがいをすると血餅(けっぺい:傷口にできる血のかさぶた)が流れてしまい、治癒の遅延やドライソケットの原因となる場合があります。


術後の初期段階では、「いかに患部を安静に保ち、感染を防ぐか」が大切です。食事の再開時期と内容には十分注意し、主治医の指導に従って段階的に回復を目指しましょう。


■インプラント手術後におすすめの食事と注意点


術後の食事は、時期に応じて徐々に通常食へと戻していくことが理想です。以下のような期間ごとの目安を参考にしてください。


◎手術当日~1週間

この時期は傷口がまだ不安定なため、なるべく刺激の少ない軟らかい食事が推奨されます。


【おすすめの食事例】


  • おかゆ

  • スープ(具なしまたは具が柔らかいもの)

  • 豆腐や茶碗蒸し

  • ヨーグルトやプリン


【注意点】


  • 冷たいものや常温のものを選ぶ

  • インプラント部位を使わないように咀嚼する

  • 食後のうがいはやさしく行い、強くすすがない


◎2~4週間

術後の経過が良好であれば、少しずつ歯ごたえのある食材も取り入れられるようになります。ただし、まだインプラント体と骨の結合が不安定な場合が多いため、慎重に進めましょう。


【おすすめの食事例】


  • 柔らかく煮た野菜

  • 白身魚の煮付け

  • 卵焼きやスクランブルエッグ

  • 蒸しパン、やわらかい麺類


【注意点】


  • 一度に固いものへ移行しない

  • 左右交互に噛む癖がある方は意識してインプラント部位を避ける


◎1ヶ月以降

この頃になると、術後の炎症もおさまり、骨とインプラントの結合(オッセオインテグレーション)も少しずつ進んでいきます。歯科医師の確認を得て、徐々に通常の食事に戻すことが可能です。


【おすすめの食事例】


  • 通常食に近いが、極端に固いものや粘着性のものは引き続き控える

  • 繊維質の多い野菜も、細かく刻んで調理すれば摂取可能


【注意点】


  • 治癒状況により個人差があるため、無理せず主治医の指導に従う

  • 術後1ヵ月検診などで問題がなければ、通常の食生活へ復帰できるケースが多い


■まとめ


今回は、インプラント手術後の食事について、宇都宮市砂田町のココ歯科クリニック

が解説しました。


インプラント手術後の食事は、術後の経過に大きな影響を与える重要な要素です。術後すぐは無理に食事をせず、麻酔が切れてから柔らかいものを少量ずつ摂ることが基本です。


時期ごとに適した食事内容を意識し、インプラント部位をできるだけ使わないように注意することで、治癒をスムーズに進めることができます。ご不安がある場合は、必ず担当の歯科医師にご相談ください。


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