皆様、こんにちは。宇都宮市砂田町のココ歯科クリニックです。

部分入れ歯は失った歯を補う身近な治療法ですが、「合わない」「ずれる」「取れる」「しゃべりにくい」といったお悩みを抱える患者様も少なくありません。

入れ歯は口の中の状態に合わせて作られますが、使用を続けるうちに違和感や不具合が出てくることがあります。

本コラムでは、部分入れ歯でよくあるお悩み、その改善方法、そしてインプラントという選択肢について解説いたします。

■部分入れ歯のお悩みを紹介

◎入れ歯がずれる

部分入れ歯を使っていて「話しているときにずれる」と感じる方は多くいらっしゃいます。これは歯ぐきや顎の骨が時間とともに痩せていくことが原因の一つです。

入れ歯と歯ぐきの間に隙間が生じると、安定感がなくなりずれる感覚が出てしまいます。

◎入れ歯が取れる

「食事中に入れ歯が取れる」といったご相談もよくあります。部分入れ歯は残っている歯に金具をかけて固定しますが、支えとなる歯に負担がかかり、ぐらつきが出てくると固定力が弱まります。また、入れ歯自体が変形することも原因となります。

◎しゃべりにくい

部分入れ歯を装着すると、舌の動きが制限されて発音しにくくなることがあります。特にサ行やタ行の発音が不明瞭になりやすく、慣れるまで数ヵ月かかる患者様もいらっしゃいます。入れ歯の厚みや形状が舌の動きを邪魔してしまうことが主な原因です。

◎痛みや違和感がある

入れ歯が歯ぐきに強く当たって痛みが出たり、口内炎ができたりするケースもあります。噛み合わせが合っていない場合や、入れ歯の一部が粘膜を圧迫している場合に起こりやすい症状です。硬い物を噛むときに痛みが出ることもあります。

■部分入れ歯のお悩みを改善する方法

◎定期的な調整でフィット感を保つ

歯ぐきや骨の形は時間とともに変化します。そのため、入れ歯を長く使っていると合わない感覚が出てくるのは、実は自然なことなのです。定期的に歯科医院で調整を受け、入れ歯の裏側を補修する「リベース」を行うことでフィット感を改善できます。

◎発音練習と形態の見直し

しゃべりにくいと感じる場合は、入れ歯の厚みや形を調整することで改善することがあります。さらに、発音練習をすることで舌が入れ歯に慣れ、徐々に会話がしやすくなります。

◎痛みや違和感の改善

痛みがある場合は、入れ歯の一部を削るなどして調整し、歯ぐきへの負担を軽減させることが大切です。また、毎日の歯みがきや入れ歯の清掃をしっかり行い、口腔内を清潔に保つことで炎症を防ぐことにつながります。

◎支えの歯を守る

部分入れ歯は残っている歯に負担をかけます。そのため、支えの歯を守るためにも定期的なメンテナンスが大切です。歯ぐきの状態をチェックし、必要に応じて入れ歯の調整を行うことで、長く快適に使うことができるでしょう。

■部分入れ歯が合わない場合の選択肢

◎インプラントという治療法

部分入れ歯のお悩みを繰り返し出る場合、インプラント治療を検討するのも一つの方法です。インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療で、入れ歯のように「ずれる」「取れる」といった心配がありません。

◎噛み心地と安定性

インプラントは骨にしっかり固定されるため、天然歯に近い噛み心地を得られます。食事の際も安定して噛めるため、硬い物や粘り気のある物でも違和感なく楽しめます。部分入れ歯で起こりやすい「噛むと痛い」といった症状も起こりにくいのが特徴です。

◎見た目と発音の自然さ

インプラントは歯ぐきから自然に生えているように見えるため、見た目も自然で周囲から気づかれにくいのが魅力です。また、入れ歯のように舌の動きを妨げることが少ないため、しゃべりにくいと感じる方にも適しています。

◎長期的な安定性

インプラントは適切なケアを続けることで10年以上の使用も期待できる治療法です。部分入れ歯のように数年ごとに作り替える必要が少なく、長期的な安定が見込めます。

◎注意点と相談の重要性

ただし、インプラントは外科的処置を伴い、全身の健康状態や骨の量によっては適応できない場合もあります。そのため、まずは歯科医師にご相談いただき、口腔内の状態に合った治療方法を一緒に検討することが大切です。

■まとめ

部分入れ歯は歯を補う身近な治療ですが、「合わない」「ずれる」「取れる」「しゃべりにくい」といったお悩みが出ることがあります。

定期的な調整で改善できるケースも多いですが、繰り返す不具合に悩まれている方にはインプラントに切り替えることも選択肢となるでしょう。

インプラントは天然歯に近い見た目と噛み心地を得られる治療で、入れ歯の不安を軽減できます。患者様一人ひとりに合わせた適切な治療法をご提案いたしますので、ぜひ歯科医院でご相談ください。