噛む力が弱い・食べにくい原因は?歯を失うリスクと受診の目安|宇都宮市の歯医者|ココ歯科クリニック

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噛む力が弱い・食べにくい原因は?歯を失うリスクと受診の目安

噛む力が弱い・食べにくい原因は?歯を失うリスクと受診の目安

食事のときの「噛みにくさ」は、年齢のせいだけではないかもしれません


歯ごたえのある料理を前にすると、以前より噛むのに時間がかかる。家族との食卓で自分だけ食べ終わるのが遅い。そんな変化が気になっていませんか。噛む力の低下には、歯周病や噛み合わせといった歯科的な背景が関わっている場合もあります。この記事では原因の整理と、ご自宅でできる確認方法、受診を考える目安をまとめました。


この記事の要点まとめ


  • 噛みにくさは歯周病や噛み合わせ、唾液減少など複数の要因が重なって生じることがあります
  • 歯の欠損を放置すると周囲の歯へ影響が広がり、噛み合わせ全体の変化につながる場合があります
  • セルフチェックで変化に気づいたら、早めの歯科相談が今後の選択肢を広げる目安になります

噛む力が弱くなる・食べにくさを感じる主な原因

噛む力が弱くなる・食べにくさを感じる主な原因

噛む力(咀嚼機能)の低下は、加齢による筋力の変化だけでは説明しきれません。歯そのものの状態、噛み合わせのバランス、日々の食習慣。こうした要因がいくつも重なって起こることが少なくないのです2。まずは思い当たる背景を整理してみましょう。


歯周病やむし歯による歯のグラつきと噛んだときの違和感


歯は、歯ぐきの下にある骨(歯槽骨)に支えられています。歯周病が進むとこの支えが少しずつ失われ、歯がわずかに動くようになります。すると噛んだ圧力を受け止めきれず、力を入れた瞬間に沈み込むような違和感が出ることがあります2


深いむし歯で歯の内部が弱っているとき、詰め物や被せ物が合わなくなっているときも同様です。痛みを避けようとして、無意識のうちにその歯を使わなくなります。片側だけで噛む癖が続くと反対側の負担が増え、噛みにくさがじわじわ広がっていくことも考えられます。


噛み合わせの不調和や食いしばりによる咀嚼筋の疲労


歯並びのわずかなずれ、就寝中の歯ぎしり、日中の食いしばり。これらは咀嚼筋やあごの関節に持続的な負担をかけます。朝起きたときにあごが疲れている、こめかみ付近が重い。そんな感覚がある方は、筋肉の緊張が食べにくさに関わっているのかもしれません1


顎関節症のようにあごの動き自体が制限されるケースでは、歯を失っていなくても一時的に噛みにくさが生じることがあります。この場合は歯の治療だけでなく、力のかかり方を見直す視点も必要になります。


柔らかい食事の連続による噛む筋力の低下とドライマウス


近年は年齢層を問わず、柔らかい食品中心の食生活(軟食化)によって咀嚼筋を使う機会が減っていると指摘されています。噛む回数が減れば筋肉は使われず、噛みごたえのある食品を避ける流れが定着しやすくなります。


さらに加齢や服用中のお薬の影響で唾液分泌が減ると(ドライマウス)、食べ物をまとめて飲み込みやすい塊にする働きが弱まります12。パンやいも類が口の中に残る感覚があるなら、乾燥も一因かもしれません。こうした状態が続けば、オーラルフレイルや口腔機能低下症といった機能面の変化につながることもあります。


噛みにくさの放置が招く「歯の喪失ドミノ」と全身への影響

噛みにくさの放置が招く「歯の喪失ドミノ」と全身への影響

噛みにくさは、それ自体が不便であるだけでなく、次の変化の入口にもなり得ます。とくに歯が1本失われた状態を長く放置すると、口全体のバランスが少しずつ変わっていく点に注意が必要です。


抜けた歯の放置で隣の歯が倒れ込み噛み合わせが崩壊する仕組み


歯は、隣の歯と向かい合う歯に支えられながら位置を保っています。1本分の空間ができると、隣の歯は空いた側へ傾き、噛み合う相手を失った歯は少しずつ伸び出てくることがあります2


傾いた歯は歯みがきが届きにくく、歯周病やむし歯が生じやすい環境になりがちです。同時に、失った歯が担っていた力は残った歯へ振り分けられ、負担が集中した歯から順に状態が変化していく連鎖も起こり得ます。1本の欠損が周囲の歯へ次々と影響していく、いわば「歯の喪失ドミノ」を避けること。これが噛む力を守るうえで大切な視点です。


1本だから問題ない、と考えて数年が過ぎると、噛み合わせ全体を整え直す必要が生じ、治療期間も長くなりがちです。院長も、早い段階でご相談いただけた場合には選択肢を幅広くご提示しやすいと考えており、当院ではまず現状の把握からご説明する流れを大切にしています。


咀嚼機能の低下が消化器官や栄養状態に及ぼす影響


十分に噛み砕けないまま飲み込めば、胃腸での消化に負担がかかります。噛む刺激は唾液の分泌を促し、消化の入口としての役割も担っているため、この工程が弱まる影響は口の中だけにとどまりません1


もうひとつ課題になりやすいのが、食品選びの偏りです。肉や野菜、根菜など噛む必要のある食品を避けるようになると、たんぱく質や食物繊維が不足しやすく、全身の筋力低下や体重の変化につながると指摘されています1。噛むことは認知機能や生活習慣病との関連も研究されており、健康寿命を考えるうえで見過ごせないテーマです12


「食べられるものだけ食べている」。その状態が続いているなら、味の好みではなく機能の変化が背景にあるのかもしれません。


自宅で確認できる簡易セルフチェックと受診を考える目安


噛む力は数値で見えにくく、変化に気づきにくい機能です。近ごろは歯科医院で咀嚼機能を測る検査も行われるようになりましたが、その前段階として、ご自宅で確かめられるポイントを知っておくと判断の助けになります。


身近な食品(せんべい・たくあん・ガム)を使ったセルフチェック


特別な道具は要りません。普段の食事や間食のなかで、次の点を意識してみてください。


  • せんべいやフランスパン:無理なく噛み砕けるか、途中で片側に寄せていないか
  • たくあんやりんご:前歯で噛み切れるか、繊維が口の中に残らないか
  • ガム:左右どちらでも同じように噛めるか、片側だけ疲れないか
  • 食べ物の残り方:飲み込んだ後、特定の場所に食べ物が残る感覚がないか

左右差がはっきりしているなら、その側の歯や歯ぐき、あごの関節に何らかの負担がかかっている可能性があります2。避けている食品が増えているかどうかも、大切な手がかりです。


食事の時間が延びた・むせやすくなった際の受診のサイン


噛む動作だけでなく、飲み込みまで含めて振り返ってみましょう。次のような変化が続いている場合は、早めに歯科医院でご相談いただくことをおすすめします12


  • 家族と同じ食事で、自分だけ食べ終わるのが明らかに遅くなった
  • お茶や汁物でむせることが増えた
  • 特定の歯で噛むと沈む感じ、響く感じがある
  • 歯みがきのときに出血しやすい、歯ぐきが下がってきた
  • 口の乾きが気になり、水分がないと食べにくい

これらには、加齢だけでは説明しにくいサインが含まれます。原因が筋力の変化なのか、歯や歯ぐきの状態なのか。その切り分けは口腔内の診査と画像検査を組み合わせて初めて整理できる部分です。 判断に迷う段階でこそ、専門的な確認が役立ちます。


噛む力を維持・回復するための歯科での治療アプローチと日々のケア


噛みにくさへの対応は、原因を切り分けるところから始まります。土台となる歯と歯ぐきを整え、必要に応じて欠損を補い、日々のケアで維持していく。これが基本的な流れです。


歯科用CT等を活用した原因の特定と歯周病・噛み合わせ治療


歯を支える骨の量や形は、平面のレントゲンだけでは把握しきれない場合があります。当院では3次元で立体的な画像診断ができる歯科用CTや口腔内カメラを用い、骨の状態や歯の位置関係を確認したうえで治療方針をご説明しています2。CT撮影は3分ほど、費用は1回11,000円(税込)が目安です。


歯周病が背景にあるときは、まず炎症を抑えるケアが土台になります。食いしばりや歯ぎしりの影響が考えられる場合には、力のかかり方を調整する視点も加わります。


失った歯を補う治療法(入れ歯・ブリッジ・インプラント)の検討


歯を失った部分を補う方法には、入れ歯、ブリッジ、インプラントがあります。取り外しの手間、隣の歯への負担、費用、治療期間はそれぞれ異なり、どの方法が向いているかは骨の状態や全身の状況、ご希望によって変わります。


当院はまず保険診療の範囲内でできる治療を丁寧に行うことを心掛け、そのうえで自費診療が望ましいと判断した場合にご案内する方針です。インプラントを選択される場合、治療期間の目安は3〜4ヶ月(骨造成を伴う場合はさらに2ヶ月程度)。ノーベルバイオケア社の製品を採用し、インプラント体には所定の条件のもとで5年間の保証制度を設けています。どの方法でも、装着後の定期的なメンテナンスが状態を保つうえで欠かせません。


丁寧な歯みがき習慣とお口周りの筋肉トレーニング


治療後の経過を左右するのは、やはり日々のケアです。歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯ぐきの境目を意識して清掃しましょう2


あわせて、頬を膨らませてすぼめる動き、舌を上下左右に動かす体操、「パ・タ・カ・ラ」と声に出す練習などを、食事前に数十秒。習慣にしやすい方法です1。噛みごたえのある食材を少しずつ献立に戻していくことも、口の機能を使い続ける工夫になります。気になる変化があれば、まずは当院のカウンセリングでお聞かせください。


よくある質問


Q1. 噛む力が弱くなる原因は何ですか?

A. 加齢による咀嚼筋の変化に加え、歯周病による歯の動揺、深いむし歯、噛み合わせのずれ、歯を失った部分の放置、唾液分泌の減少など、複数の要因が関わります。柔らかい食品中心の食生活で噛む機会が減ることも影響すると考えられています。


Q2. 歯を喪失する原因とは何ですか?

A. 主なものとして歯周病とむし歯が挙げられ、これに歯の破損や過度な力の集中が加わります。失った部分をそのままにしておくと残った歯への負担が偏り、次の喪失につながる連鎖が生じることもあるため、早めのご相談が望まれます。


Q3. 噛む力が弱くなる病気はありますか?

A. 歯周病や顎関節症、口腔乾燥を伴う疾患のほか、口腔機能低下症として評価される状態もあります。全身疾患や服用中のお薬が唾液量に影響する場合もありますので、受診時にお薬の内容をお伝えいただくと診査の参考になります。


Q4. 歯が綺麗になるフルーツはありますか?

A. 特定の果物で歯の色や汚れが取れるという考え方には注意が必要です。りんごなど噛みごたえのある果物は咀嚼の機会になりますが、果物には糖や酸も含まれます。摂取後の水分補給や適切な歯みがきと組み合わせることが基本です。


Q5. 噛みにくさを感じたら、どのタイミングで相談すればよいですか?

A. 食事時間が明らかに延びた、むせやすくなった、特定の歯で噛むと違和感がある。こうした変化が続く場合が目安になります。症状が軽い段階のほうが選べる方法は広がりやすいため、迷う段階でのご相談で構いません。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth


加藤 淳

歯科医師


ココ歯科クリニック

院長

加藤 淳

▶ 監修者プロフィール

経歴
1997年 日本大学歯学部 卒業
1997年~2000年 日本大学歯学部口腔外科 在籍
2000年~2002年 グリーン歯科 勤務
2002年~2007年 しらさぎ歯科医院 院長
2007年5月 ココ歯科クリニック 院長